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女鑑~おんなかがみ~
第14章 被虐
女将が七日ぶりにむらさき屋に帰ってきた。
土産だという菓子を囲んで皆が茶を飲む中,葵の姿だけがないことに女将は不審がった。
「タイガの紹介,これで五人目ですよ。
今度は絵描きさんだっていうけど,本当なのかしら。二人で一度に来られたのでお断りしようと思ったんですけど,葵ちゃんがそれでもいいっていうから…。でも心配です。」と千鳥が言う。
「さっき,ちらっと中をのぞいたんだけれど,一人が葵ちゃんを荒縄で縛っていて,もう一人がずっとそれを絵に描いているの。だから,絵描きさんだというのは本当なのかしら。タケさんが筆を洗う水を替えに行くときに様子を見てもらっているんだけれど,身体の向きを変えながら,何枚も絵を描いているようですよ。
夕べから来て,葵ちゃんは厠に行くとき以外,ずっと縛られたままで,絵描きさんは途中でうどんだの寿司だのを注文したり,途中で昼寝したりしているのに…」

朱音があきれたように「葵ちゃんも,こんなお客は,断っちゃっていいのに。よほど稼ぎたいのね」と言い,千鳥ににらまれて口を噤んだ。

「ほかには,どんな客が来るんだい。その,タイガの紹介ってのは」と女将。

「若槻さんには,私たちはのぞいたりするなときつく言われているので,あまりわからないんですが。最初に来た人は細いチリ紙の紐みたいなので葵ちゃんを縛って,この紙を破ったら許さんなどと無理難題を」
「あのあと,葵ちゃん嬉しそうでした。全く動かずに我慢して,褒めてもらえたって」と夕顔が口を挟む。
千鳥は呆れたように笑いながら続けた。

「その次は,五十代くらいの紳士ですが,私たちに顔を見られないように頭巾をかぶっていて,部屋の中では,葵ちゃんは最初から最後まで厳重に目隠しをされたままだったようで,誰も顔を見ていないんです。まさか泥棒とかではないですよね。」

女将はため息をついて,「泥棒ならまだ可愛いもんだろう」と言ったがほかのみんなは怪訝な顔をしていた。

夕顔は「そのあとに来た一昨日のひとが一番変でしたよ」と続けた。
「でも,たまにああいう客がいると,身体を休めるからいいよ」と千鳥。
「字を書いた紙を大量に持ってきて,読めと言って,いろいろ質問をして,書きとってそのまま何もしないで,帰っていったんですよ。着物も脱がず,指一本触れなかったのですって。私,絶対にそんなお客はお断りだわ」
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