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女鑑~おんなかがみ~
第16章 献身
いつの間にか小紫の身体は厚い布団の上に横たえられていて,着物は長襦袢だけにされ前を大きくはだけられて身体中を触られ,さらに舌で嘗め回されていた。

悪い夢が覚めてほしいと願いながらあお向けでぼんやりとしていた小紫は,急に我に返り,
「あきません。さっき踊りで汗かいてしもうたから,汚いです。湯を使わして」
と懇願したが
「汚いことなんかあらへん。上等の果物みたいな肌や」と一蹴された。

まだほとんど膨らみもない乳首を口に含まれ,思わず強い刺激に耐えられず身をよじらせたときには,まるで幼い子どもをあやすように,
「気色悪いか,痛いか,それは可哀そうに。けど,騙されたと思うて,あと十数える間だけ,辛抱してみ」と言われ,思わず素直に頷いて,ひとつ,ふたつ・・と数えるとなぜか八つか九つまで数えたときに身体に甘美なものが走った。
「九つ,十,ぁはぁ・・」
「よう辛抱した。ほな次はこっちな」ともう片方の乳首が口に含まれる。

最初は嫌でたまらないことでも,命じられるままに十数えるうちに,別の感覚が湧き上がることに小紫は気づいた。
けれど,旦那様は,十まで数えたところででぴたりとその行為をやめ,「よう辛抱した」と褒めてくれた。
そのようなことが繰り返されるうち,悪夢を見ているのか,もっと心地よい夢の中にいるのか,わからなくなりかけた。

しかし,それでも小紫は,脚を開くことだけは頑として嫌がった。幼いころから母親に厳しくしつけられ,常に行儀よくすることが求められていたので,立つとき,歩くとき,座るとき,そして眠るときも,常に両膝をきちんとつけておくように,裾が乱れないようにと心がけていたのだ。

だから小紫は,太ももを平手でぴしゃりと叩かれても膝を閉じ続けた。
「急に強情になったな。なんで脚を開かんのや」
「どうか,堪忍してください。旦那様の前でそんな行儀の悪いことはできまへん」

そういうと旦那様は嬉しそうに笑った。
「さすがは武家の娘やなあ。武家の女は死んでも脚を開かんように,脚を括って自害するっていう話はホンマやったんやな。
……せやけど,なんで脚を開くのは行儀が悪いか知ってるか」
「・・・・・いえ」
おなごが普段から脚を開いていたら,こういうときに儂らが。無理やりに開かせる楽しみがなくなるからや。これは,ますます,楽しみになってきたわ」
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