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第12章 　愛を知らないヒメ初め＊ 中 ＊

　　


　２人が満面の笑みで頷く意味がよく判らない。


「さぁ、玲くん。これから頑張ろう。」


「黒は、諦めてないんだ。頑張れるな、月瀬。」


「はい、頑張ります。」


「沖兎さん、俺たちの出番ですね。」


「そうだな。」


　２人は、凄く楽しそうだった。


　》　＊


「これ、どうしろって･･･言うんだよ。」


「黒･･･なにしてる？」


「ああ、これ。当たっちまった。」


「旅行券。やったな。」


「福引きに行けって言うから来てみたら１等を当てちまった。でも要らねぇんだよな。」


「なんでだ。いいだろう、行けよ。」


「行く相手居ないし･･･」


「月瀬を誘えばいいんじゃないのか。」


「はあ？」


「誘えよ。」


「なんでだよ～」


　親友の謎の押しに戸惑うばかりだ。



　【愛を知らないヒメ初め＊ 中 ＊━ 終 ━】