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もっと夢を見ていたい
第4章 17

『お前は…堕ろしたいんか…?』
彼の握った拳は震えていた。
『……今は…まだ早い…』
『……わかった…』
何か色々言ってたけど
最後には承諾してくれた。
そのまま彼は部屋から出ていった。
このまま、子供もサトシも失うんや…
何やってんやろ私。
ため息を付いて病院に電話し
中絶を伝えた。承諾書がいるとの事で
保護者の欄にはバイト先の
店長に名前を書いてもらった。
手術当日のそのそと起き上がる。
彼はあれから帰って来ていない。
電話もメールも無視された。
深くため息を付いて玄関を出る。
彼は…階段に座っていた。
『…サトシ…?』
そう声をかけると
『病院行くんやろ?…俺も行く』

