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『公衆便所姫』
第1章 -1-
「よ、姫!」
声と共にお尻を軽く叩かれる。
僕を『姫』と呼ぶ奴は、記憶を辿っても一人しか思い浮かばない……同じクラスの、三浦湊。
……つーか、痛ぇって。マジで。
「使えよ」
簡単に手で拭い顔を上げると、眼前に四つ折りにされたハンドタオルが差し出される。
……どういうつもりだ……
顎先からぽたぽたと雫が垂れる。それをお構いなしに、正面から湊をじっと見据えた。
……湊は、慶太の親友だ。だけどこいつは……
「いいから、これで拭けよ」
「……」
湊は、柔やかな笑顔をして見せる。
「ほら」
胸の前に突き付けられた、ハンドタオル。それを受け取らずに湊を見据えれば、そっと僕の頬にそれを当てられる。そして顎先に向かって撫でるように、滴る雫を拭われる。
「さっき、腰宮が出てきた所を見掛けたんだけどさ……」
顔を横に向け、拒否の意思を示す僕に、湊がニヤつきながらハンドタオルを引っ込めた。
「俺にもさせてよ」
声と共にお尻を軽く叩かれる。
僕を『姫』と呼ぶ奴は、記憶を辿っても一人しか思い浮かばない……同じクラスの、三浦湊。
……つーか、痛ぇって。マジで。
「使えよ」
簡単に手で拭い顔を上げると、眼前に四つ折りにされたハンドタオルが差し出される。
……どういうつもりだ……
顎先からぽたぽたと雫が垂れる。それをお構いなしに、正面から湊をじっと見据えた。
……湊は、慶太の親友だ。だけどこいつは……
「いいから、これで拭けよ」
「……」
湊は、柔やかな笑顔をして見せる。
「ほら」
胸の前に突き付けられた、ハンドタオル。それを受け取らずに湊を見据えれば、そっと僕の頬にそれを当てられる。そして顎先に向かって撫でるように、滴る雫を拭われる。
「さっき、腰宮が出てきた所を見掛けたんだけどさ……」
顔を横に向け、拒否の意思を示す僕に、湊がニヤつきながらハンドタオルを引っ込めた。
「俺にもさせてよ」