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振り向けば…
第9章 もう少しだけ頼むわ…
よく見れば集まったメンバーは美男美女ばかり…。
重盛 玲奈(れな)先輩は去年のミスコンのクィーンだとかいう人…。
3年生はお洒落で美人…。
ちんちくりんの1年生が参加してはいけない合コン…。
また背伸びしちゃった…。
後悔する。
「今日の女子の目当ては皆んな天野君だろ?」
3年生の男の人がクスクスと笑う。
「あら、私は日下君が目当てよ。」
サラリと髪を掻き上げて玲奈さんが言う。
「俺なんかでいいんですか?」
ニヤリと日下先輩が笑う。
「次は2人だけで会いたいと思ってる。」
「いいですよ。玲奈先輩の頼みなら…。」
日下先輩…。
合コンに慣れてるって感じ…。
カフェでお茶をして連絡先の交換をする。
私には
「多分、1年の時のレポートがあるから、今度貸して上げるね。」
という感じで女子の先輩からも男子の先輩からも妹扱いで終わる合コンだった。
「天野…、悪い。来夢を送ってやってくれる?」
日下先輩が天野さんにそう言う。
玲奈さんと意気投合した日下先輩は今から玲奈さんと飲みに行くとか言うてる。
「うん…、わかった。」
のんびりとした口調で天野さんが答える。
「1人で帰れますから…。」
そもそも、うちは大学から自転車で15分という距離。
大学の近所のカフェだったから歩いても大した距離じゃない。
「うん…、でも…、送ります。」
丁寧に天野さんが私に言う。
「あっ!?僕が迷惑なら言って下さいね?」
「全然、迷惑じゃありません!」
紳士だった。
大体、うちのお父さんにしても悠真にしても『俺俺』の『オラオラ』系だから、丁寧で紳士な天野さんには爽やかしか感じない。