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振り向けば…
第9章 もう少しだけ頼むわ…
先輩の誘いは合コン…。
やだなとは一瞬は思ったけど日下先輩が居るなら安全だと思う。
嫌なら先輩が助けてくれる。
しかも、普通の合コンと違って初詣に行ってカフェでおしゃべりをするという健全な合コン…。
その後は盛り上がればカラオケや夕食に行こうという流れだけど、盛り上がらないなら即解散だと日下先輩が言うから参加する。
男子4人女子4人の集まり…。
男子は3年生が2人、2年生が2人…。
女子は3年生が3人の私だけが1年生…。
「俺の高校の後輩なんだ…。」
日下先輩の言葉から女子の頭数が足りないからと急遽私が誘われたのだと理解をする。
だって先輩がひたすら私に気を使う。
「来夢の分は俺が出すから。」
「別に大丈夫ですよ。」
私に気を使う先輩に苦笑いをする。
「本当は…、来夢はこういうの苦手だろ?」
私をわかってくれてる先輩だから大丈夫だと思う。
「僕もこういうのは苦手なんです…。」
日下先輩の友達がそう言うて来る。
「はじめまして…。」
その人に頭を下げる。
「はじめまして、天野 拓也(たくや)です。」
爽やかにその人が笑う。
言われなくても知ってます。
彼は剣道での全国大会優勝者だ。
学校でも大弾幕が張り出されていて、『祝、剣道、全国1位』とこの人の名前が堂々と掲げられてる。
剣道の写真では面を付けてて顔まではわからない。
それでもカフェなどで
「天野さんだ…。」
と女子が必ず指を差すから誰もが彼を知ってる。
相変わらず派手な有名人メンバーとすぐに集団になる日下先輩の誘いに乗ってしまったのが間違いだったかもとか考える。