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振り向けば…
第10章 映画にでも…
「来夢…、免許あるよな?」
拓也さんとカフェに居ると日下先輩が玲奈さんと来て私に聞いて来る。
「ありますよ。」
高校卒業と同時に悠真と合宿で免許を取った。
お父さんがミッションを取れと言うからミッションを選んだ。
「この夏休みに海に行く予定なんやけど…、日帰りするから運転は交代でしたいんや。もう1人くらい運転が出来る奴を知らんか?」
「免許なら悠真が…。」
そう言いかけて『しまった…。』とか思う。
拓也さんが嫌な顔をするとか考える。
だけど意外と拓也さんは穏やかな表情のままだった。
「悠真か?でも…、皆んなアベックやからな。ちょっと聞いてみるわ。」
日下先輩と玲奈さん、日下先輩の友達のカップル。
私と拓也さんに悠真と悠真のその時の彼女の8人で海に行く事が決まった。
「来夢の水着が見れるんだ。」
海に行けると拓也さんがはしゃぐ。
水着…。
高校生の時に買ったお子ちゃま水着しかないから買いに行かなければとか考える。
「剣道の練習は大丈夫ですか?」
「うん…、でも海から帰ったらあんまり来夢とは遊べなくなりそうだから、今のうちにいっぱい遊びに行きたいね。」
最近の拓也さんはご機嫌だ。
私は慌てて水着を買いに行き、拓也さん好みの服とかもついでに買う。
日下先輩のお父さんがワゴン車を持ってた。
8人乗りだから、その車で海に行くと言う。
出発は午前4時。
「眠ぃー…。」
日下先輩が叫ぶ。
「ならスタートは俺が運転します。」
悠真が運転をする。
日下先輩と玲奈さんが寝る。
「来夢も寝ていいんだよ。」
拓也さんが私にそう言うてくれる。