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振り向けば…
第10章 映画にでも…
次の瞬間…。
「イクッ!」
と先に拓也さんが叫んでた。
初めてのオーガニズムはお預けだ。
「拓也さん…。」
愛してる。
私がそう言う前に
「来夢は初めてじゃなかったんだ…。」
と寂しい顔で拓也さんに言われた。
私に自分を傷つけるなと言うてた悠真の言葉を思い出した。
私が初めてなら拓也さんに嫌な思いをさせなかったのかもしれないと本当の意味で後悔する。
「ごめんなさい…。」
「まさか…、悠真君?」
「違います!」
1年の時の後悔を拓也さんに説明する。
「僕は後悔をするような付き合い方を来夢とはしたくないと思ってます。」
そう言うてくれる拓也さんを好きだと思った。
とても嬉しいと思った。
なのに…。
「その代わり…、悠真君とは距離を置いて欲しい。」
そんな言葉が悲しかった。
私と繋がったばかりなのに…。
悠真との距離が気になるの?
悠真だって彼女が居て私とは距離を置いてるのに…。
そんなに悠真の存在を認めたくないの?
頭ではそう思う。
だけど拓也さんを失いたくない気持ちが働く。
「わかってる。拓也さんだけだから…。」
そない言うて私が拓也さんに寄り添うと拓也さんが満足してくれる。
拓也さんの部屋の鍵を預かった。
拓也さんが忙しい時は私が拓也さんのご飯を作ってあげる為…。
時々、泊まっては彼に抱かれる。
試合にも応援に行く。
拓也さんの為にしか自分の時間を使わない生活…。
それは鎖で繋がれた生活…。
恋人なんだから、それが当たり前だと思ってた。
「あのさぁ、悠真の噂は聞いた?」
2学期になり、昼ご飯を食べる彩からそんな質問をされた。