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振り向けば…
第11章 失敗した…



「来夢ー…。」


背後から忍び寄る手にいきなり胸を鷲掴みして揉まれた。

犯人は玲奈さん…。


「あはんっ!」

「いやん!来夢って敏感!可愛い!」


私の頬に玲奈さんがスリスリと頬を擦り寄せる。

すっかり私は玲奈さんの玩具になってた。


「玲奈が来夢と浮気する。」


日下先輩がいじける。


「ごめんね。章よりも来夢が可愛いの!」


玲奈さんのテンションに苦笑いをする私が居る。

拓也さんに振られた私を慰めてくれてる。

私が寂しくないようにと学校での昼休みなんかは私に構ってくれる。

彩も居る。

悠真も居る。

だから寂しさは感じない。

ただ時々、拓也さんを見かけると胸が痛くなる。

私が拓也さんを傷つけた。

その罪悪感が辛いと思う。


「帰ろうぜ。」


立ち止まる私の手を握って悠真が歩き出す。

まるで拓也さんに見せつけるように…。

悠真は拓也さんが私を捨てた事を後悔させればいいとか言う。

私は拓也さんに捨てられて後悔をしてる?

自分の気持ちがわからない。

もう恋愛はしたくないとしか思わない。


「ケーキでも買いに行こう。」


悠真だけがずっとご機嫌でクリスマスのケーキを買いに行こうと私に言う。


「後期試験のレポートは終わったんか?」


冬休みはレポートに追われる。


「レポートなんかチョロい。」


クリエイターを現役でやってる悠真にはレポートなんか楽勝らしい。


「ムカつく!」

「よしよし、レポート頑張れよ。」


馬鹿にしたように悠真が私の頭を撫でる。

やっぱり家族という関係のまま悠真と過ごす冬休みだった。


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