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振り向けば…
第13章 悪かったから…



「連休やろ?来夢の好きなところに連れてったるから…。」


私を慰める悠真が言う。

連休や!

社会人になっての初めての連休…。

子供の頃のようにワクワクする。


「京都?神戸?」

「1泊しても構わんぞ。」


なら四国で讃岐うどん?いや、岡山で美観地区?

三重や金沢でのグルメ旅?

連休までは色々なガイドブックを買い漁り、悠真と旅行の計画をする。


「部屋は別々にしてや…。」

「贅沢を言うな!どこの旅館も布団は2枚用意してくれるわい!」


幸せだった。

彼氏じゃないけど悠真だから一緒に行けるだけで退屈はしない。

その程度の幸せは一瞬で崩れ去るものだと知った。

初めての連休の夢は叶わなかった。

仕事が終わり、荷物を持って悠真の家に向かう。

行き先は岡山と決めた。

ジーンズ発祥の地で悠真が私のジーンズを買うてくれると言うたから…。

作業服ばかりの私にお洒落を忘れるなという悠真のこだわりの部分。

いつも通りの悠真のマンション…。

ポストには郵便物が溜まってる。

こういうところが悠真はだらしない。

いつもなら、わざと受け取らずに悠真に取りに行かせるけど、今日の私はご機嫌だから郵便物を取り出してやる。


「悠真ーっ!また郵便物が溜まってたでー!」


一応、文句を言いながら悠真の家に上がり込む。

悠真が気不味い顔をしてリビングから出て来た。


「来夢…、あんな…。」

「どないしたんや?」


リビングにはもう1人の人影が見える。

その人が私の事をお化けでも見るように目を見開いて見て来る。


「美保…。」


何故、ここに美保が?

高校の時の親友だった。

なのに今の美保は私には会いたくなかった態度を向けて来る。


「俺から後で連絡するから…、ちょっとだけ家で待っててくれや。」


悠真の言葉が信じられないと思った。

裏切られた気分…。

いや、彼氏じゃないんだから裏切りすら存在しない。

泣きたい気分を堪えながら走って自分の家へと駆け出してた。


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