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振り向けば…
第13章 悪かったから…
翌朝は結局、掃除も洗濯も私に押し付けて悠真が
「コンビニに行って来る。」
とか言うて逃げ出した。
その1時間後…。
「来夢にもジムが使えるようにしたったから。」
悠真が私の頭を撫でて来る。
マンションの住民以外でもマンションの住民の紹介があれば月5千円でジムの利用が可能になる。
その月々の支払いは悠真がしてくれる。
悠真の優しさをわかっとるから掃除から逃げた事を文句は言わない。
その日の午後は悠真とジム…。
腕や足を鍛えるマシーンは絶対に悠真が止めろとか言うて来る。
「へ?なんで?」
「ただでさえガテン系女がムキムキになったら気持ち悪いだけや。」
さすがに私もムキムキは嫌だと思うから悠真と並んでルームランナーで走る事にする。
黙々と走る。
そもそも運動は苦手な方だ。
でも、走る事は苦痛にならない。
体内にスタミナが少しずつ蓄積されていく感覚が嫌いじゃない。
小一時間を走り続けると
「来夢さん…、すみません…。もうそろそろジムは終わりにしませんか?」
とバテバテの悠真が私に懇願する。
「今晩はしゃぶしゃぶが食べたいなぁ…。」
「最高クラスの肉を買うてもええから、もう買い物に行こうぜ。」
にんまりとほくそ笑んでやる。
スーパーで一番高い肉を買わせてやる。
「しっかり食わな、大きくなれんぞ!」
「やかましいわ!」
私のお皿にお肉を山盛りにする悠真…。
そうやって悠真とご飯を食べるのは当たり前になってた。
仕事を始めて1ヶ月…。
未だに私は宮崎さんの助手…。
1日のほとんどがデスクワークという仕事…。
私は現場管理を希望したのに…。
背伸びをしたがる悪い癖が出てウズウズとする。