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振り向けば…
第14章 休憩して下さい…
美保が何故?
美保は悠真が好きだった。
もしかして今も悠真が好き?
頭の中でぐるぐると嫌な考えが浮かぶ。
もし美保と悠真が付き合うなら私は笑ろうて祝ってあげなければ…。
だって美保とは親友だったんだもん。
私と悠真はただの家族…。
だからきっと笑えるよ。
自分自身に言い聞かせる。
深夜まで待っても悠真からの連絡がない。
そりゃそうだ。
彼女が出来たら私なんかと旅行は出来ない。
悠真の家にある荷物を持って帰って来なくっちゃ。
気付けば眠ってた。
朝早くに頭が撫でられる。
目を開ければ悠真が居る。
「起きてくれるか?」
「美保は…?」
「その事で話がある。」
やばいくらいに神妙な顔をする悠真に怯えてまう。
聞きたくないよ。
だって悠真の顔が鬼のように怖いから…。
「落ち着いて聞いてくれ…。」
悠真が深呼吸をする。
「これは大切な話や。美保を説得するのに一晩中かかったわ。」
一晩中、美保と居たと言われる。
「そうなんや…。」
ぶっきらぼうに言い返す。
悠真がもう一度、深呼吸をする。
「美保は今…、妊娠しとる。」
完全に固まった。
妊娠?
早過ぎるやろ!?
一晩中、一緒に居ただけで美保を妊娠させたんか?
それとも私を家に通わせながら外では隠れて美保と会うてたんか?
混乱する。
息が出来なくなって来る。
「落ち着け!」
悠真に怒鳴られた。
落ち着けって…。
美保が妊娠って…。
なのに悠真は私の前に居る。
一体、なんなん?
この状況…。
「説明したるから、ゆっくりと俺の話を聞け。」
悠真が私の顔を撫でる。
こくこくと小さく頷いた。