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振り向けば…
第16章 トイレマット…



「拓也なんか、来夢にはあかんわ。」

「それは違うぞ。天野だってあの時は天野なりに必死やったんや。悠真は既に派手に稼いでてチャラい事してたけど、天野は司法試験もあって大変な時期やっただけや。だから仕方がなかったんや。」


何故か私の元カレの事で玲奈さんと日下先輩が喧嘩をする。

玲奈さんは拓也さんが私を傷つけたと主張する。

日下先輩は


「俺はぐっさんの時にも同じ経験したからな。来夢には悠真は邪魔なだけなんやって…。」


と主張する。

溝口先輩は悠真の事を気にして大学に落ちた。

それは私のせいじゃないと日下先輩もわかってる。

だけど同じ間違いを拓也さんがすれば困ると日下先輩は考えた。

だから私を拓也さんが捨てた事は仕方がなかったのだと日下先輩が言う。

ことごとく日下先輩の友人を私は傷つけた。

その原因は全て悠真だと日下先輩が言う。


「だから来夢の意見が聞きたいねん。俺は友人代表には天野を呼ぶつもりや。だけど来夢が天野とは会い辛い言うなら悠真を招待する。天野を呼ぶなら悠真は呼ばないと決めた。俺が言う意味わかるかな?」


そう言われて当然だと思う。

玲奈さんが私は絶対に呼びたいと言うてくれたから日下先輩は譲歩をしてくれてる。

先輩は相変わらず私を妹のように可愛がってくれてるのだから…。


「拓也さんが嫌じゃなければ…。」


と答えてた。


「天野は来夢に会いたいと言うてたで…。」


日下先輩が優しく笑顔を向けてくれる。

いつだって私を可愛がってくれた先輩と玲奈さん。

その2人の門出は絶対にお祝いをしたい。

それは悠真に後ろめたさを感じるお祝い。

私が悪かったんだからと自分を改めて責める気持ちが生まれた日でもあった。


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