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振り向けば…
第2章 俺を呼べや…
意外にも私の方がユンボとかに興味を示し、男の子の悠真は興味を示さなかった。
「早くバイクとか車の免許が欲しいわ。」
私がそう言うとお父さんが嫌な顔をする。
「免許は取ってもええけど、バンドだけは組んだらあかんのやで…。」
「そんなアホやるのはお父さんだけや。」
私の言葉に悠真のお母さんや従業員の人達が赤い顔をして俯く。
「若かったんすよ。」
「そうそう、若かったから…。」
「龍平先輩がカッコよかったし。」
「龍平が居ったからな。」
「誰もが龍平先輩に憧れましたから。」
誰もが悠真の顔を見てそう言う。
悠真は龍平おじさんに似ているらしい。
「悠真も中学校じゃモテるぞ。龍平はめちゃくちゃモテたからな。」
お父さんがくしゃくしゃと悠真の頭を撫でる。
悠真がモテる?
それだけは有り得へん…。
小学校じゃ既に彼氏とか付き合ってるとかいう言葉を使う子が居る。
学校から一緒に帰り、公園で話をしたり遊んだりするだけの彼氏…。
それって友達と何の違いがあるねん?
そんなレベルの恋愛をする子が増えた中…。
「来夢ちゃんは悠真君と付き合ってんの?」
「悠真とだけは有り得へんわ。」
「それもそうやな。アホの悠真君とだけは絶対に有り得へんわなぁ…。」
女子からはそんな扱いの悠真がモテるとか信じられないと思う。
所詮、悠真は悠真…。
私の中ではその程度の扱い。
「来夢…、春休みはちょっと付き合えや。」
悠真が私にそう言う。
「なんやねん?」
「観たい映画があるだけや。1人で行くのもなんやから…、来夢も連れてったる。」
偉そうに言う悠真にムカつくけど、全部を悠真が奢ってくれると言うから納得する。
そんな悠真が彼氏とか絶対にそれだけは有り得へんとしみじみ思うだけだった。