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振り向けば…
第2章 俺を呼べや…
卒業式…。
タータンチェックのミニスカートにワイシャツにネクタイを締めてブレザーを羽織る。
アイドル風のスタイルが流行りで女の子は皆んながこんな服を着る。
鏡の中にちょっと大人びた自分が居ると照れくさい。
悠真が悠真のお母さんとうちに来た。
悠真がスーツを着てネクタイを締めている。
私の服も悠真の服もお父さんが買うてくれた。
悠真が赤い顔で私を見る。
「似合わねぇ!」
「お互い様やろ!」
まだまだ背伸びをしただけの2人…。
「写真…、撮るぞ。」
悠真とのツーショットを撮るとお父さんが言う。
「えーっ!?」
「悠真となんかいややわ。」
2人で文句を言いながら2人で学校の正門の前に立たされた。
お互いがそっぽを向いた初めてのツーショット写真…。
後にも先にもそれしか2人で写った写真はなくて、10年以上後の今も悠真の机の上にその写真が飾ってあるから笑ろうてまう。
卒業式の後はお寿司屋さんに行く。
回る寿司じゃなく、フグ鍋が食べられる立派なお寿司屋さん。
ここでも主役は私と悠真だと言って2人で並んで座らされた。
お父さんの会社の従業員の人達も来てくれる。
「来夢ちゃん、社長の跡継ぎになるんやって?」
「お父さんに似てユンボの操作、上手いもんな。」
おじさん達がゲラゲラと笑う。
お父さんが入院をしてない時に何度か現場でお父さんからユンボの操作方法を教えて貰ろた。
その時も悠真と一緒だった。
悠真に向かってユンボのアームを操作して上に向けながらチョイチョイと動かして
「かかって来い!」
をしてやると悠真が
「舐めとんのか!?ユンボから降りて来いや!」
と私にキレてた。