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振り向けば…
第18章 私自身を…
だって恋人じゃないもん…。
でも、今は恋人みたいな時間を過ごしたい。
「悠真…、お皿。」
「ん?」
「卵…、割ったる。」
「ん…。」
仲居さんが作るすき焼きをじっと眺める悠真。
「お代わりのお肉を持って来ますね。」
食べ放題だけど割と綺麗な霜降りのお肉…。
「悠真…、どのくらい食べれるの?」
「後5皿は食える。」
2人前ずつ来るお肉だから、早めに仲居さんに言わなければならない。
すき焼き以外にもお刺身やら山菜の天ぷらなどのおかずもあるのに、悠真の胃袋には次々とすき焼きのお肉が消えてゆく。
どんだけお腹を空かせててん?
普段から悠真の食欲は凄い。
私の倍の大きさのハンバーグを丼のお茶碗で2杯はご飯を食べるのが当たり前。
「ほら、お前も食えよ。」
私の取り皿にもお肉を山盛りにする悠真。
虎の食欲には勝てません。
「食った、食ったぁ…。」
満足する悠真がそのまま寝転がる。
「お行儀悪いで…。」
思わず窘める。
だって仲居さんがクスクスと笑うから。
「早めにお布団の用意をしますね。」
「お願いします。」
まるで早く布団を敷いて貰ろて2人きりになりたいカップルな気分になる。
すぐに食事の片付けがされてまだ8時だというのに布団が敷かれてた。
「ごゆっくり…。」
仲居さんの言葉に緊張する。
悠真はさっそくと布団に寝転がる。
「なぁ、悠真…?」
「んー?」
「知らん人が見たらカップルとかに見えるんかな?」
「んー?かもなぁ…。」
気のない返事…。
「なぁ、悠真…?」
返事がない。
「ゆう…。」
見れば悠真は目を閉じてる。