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振り向けば…
第20章 久しぶりに…
久しぶりのデート感覚。
私のファイターはやっぱり悠真?
自然な成り行きで恋人気分を私に与える悠真が不思議に感じる。
「夕飯はラーメンにするか?」
難波で最近人気のラーメン屋さんで夕食を食べて私の家に向かう。
明日から私が仕事だから…。
週末まで悠真とは会わない。
毎日のように会う海斗さんと奈緒さんとは違う。
アパートの駐車場に車を停めて悠真が私を家の前まで送ってくれる。
「なぁ…、来夢…?」
「なんや?」
悠真の方に振り向くと悠真の手が私の顔を撫でて来る。
「どないした?」
笑顔で聞いてやる。
だって悠真が切ない顔で私を見る。
悠真の指先が私の首筋をくすぐるように弄ぶ。
少し身体が反応する。
こんな場所で…。
悠真に感じさせられてる。
悠真のもう片方の腕が私の腰を抱く。
このままキスされたら…。
多分、私は帰れなくなる。
ブラジャーの中で痛くなる小さな胸が悠真に密着して悠真の指先が私の耳の下を撫で続ける。
ただドキドキとしてた。
恋人じゃないのに…。
悠真の気持ちがわからない。
「あんな…、ゆう…。拓也さんが…。」
思わず、そう口走ってた。
悠真が我に返った顔を見せる。
「拓也さんがどうした?」
さっきまで首筋を撫でていた手が私の頭をくしゃくしゃと撫でて来た。
「今度…、食事に行きたいって…。」
「拓也さんの都合で行って来いや。別に俺とはいつでも行けるんやし。」
ほんまに行ってええんか?
ちゃんと聞くべきだった。
だけど、もう悠真は私を見ていない。
「じゃあ、またな。」
そう言うて悠真は私に背を向ける。
振り向けば、いつも見て来た背中が私から遠ざかるのが見えた。