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振り向けば…
第23章 雨や…
「足が付かんから嫌です。」
「俺が居るやんけ。」
嫌々ながらも悠真の説得に折れていた。
今日は悠真の誕生日だから…。
私の誕生日は至れり尽くせりをしてくれる悠真なのだから、少しくらいは悠真の言う事を聞いてやろうとは思う。
一度、水着を私の家に取りに行き悠真とマンションのプールに入る。
更衣室にシャワーとサウナが完備されてる会員制プールという贅沢。
その割には利用者が全く居ないから私と悠真の2人だけの贅沢プールになってる。
「悠真…。」
プールの中で怖くて悠真にしがみつく。
他の人が居なくて良かったとか考える。
「少しは泳げるようになれよ。」
ニヤニヤと悠真が笑う。
「無理、なんか知らんけど身体が沈むんやもん。」
小学生の時に一応はお父さんと練習をした。
身体の力を抜けば勝手に浮くと言われたけど、私の身体は沈むだけで浮くという行為を絶対に見せる事はなかった。
その時のお父さんのお腹には癌での手術跡として無数の縫い目があり、周りの人がお父さんをジロジロと見る目が辛くて練習を早めに切り上げて帰った事だけは覚えてる。
「ゆう…。」
「力を抜け…。」
そう言われても…。
恐怖で必死に悠真にしがみついてまう。
ふと、水の中で悠真が変なところを触り出す。
「ちょっと!」
「嫌なら泳いで逃げろ。」
ニヤニヤとして私のお尻を水の中で撫でて来る。
私の水着姿なんぞには欲情せえへんとか言うてなかったか?
腹が立つけど、もし今日は悠真が望むなら抱かれた方がええかもしれんとは覚悟はしてる。
「悠真…、したいんか?」
いつもとは逆で私の方から聞いてやる。