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振り向けば…
第23章 雨や…



うちのお父さんに関しては学校中で『怖い人』『やばい人』という噂にはなってたから…。

肉屋はちょっと遠慮をしたのに、高橋君が出し抜いたと悠真が言う。


「出し抜いたって…。」

「映画のチケットを親から貰うたって高橋が言うたんたやろ?あれはわざわざ買いに行ったんや。」

「嘘っ!?」

「しかも、俺が居らん日を選んで行きやがったし。」


あの時、悠真が怒ってた理由が少しだけ理解出来た。

あれは高橋君に対する怒り。

悠真はずっと私の保護者だったのだ。


「けど高橋君って、すぐに内海さんと付き合うてたやん。」

「その内海やけどな。」

「うん…。」

「高校は航大と同じやったやろ?航大ともしばらくは付き合うてたらしいぞ。」


かなり軽い内海さんなんだと思うた。


「悠真かて付き合うてたやん。」

「俺のは付き合うてたうちに入らんやろ。航大は内海にやらせて貰うた言うて俺に自慢して来たからな。」


私の知らん話ばかりだ。

肉屋が同窓会では驚く事になるとか言うてたけど、この話だけでも驚く事ばかり。


「お前はほんまに変わってないよな。」


懐かしそうに悠真が私を見る。

私はチビで子供のままなのか?

ずっと悠真に守られて来ただけの女だったのか?

私がそんな悠真にしてあげれる事は卵焼きを作る事だけなのだろうか?

最近は自分の未来が不安になる。

皆んなが大人になってるのに悠真が居るから、私はいつまでも子供のままな気がする。


「送る。」


雨の中を悠真の傘だけで歩く。

私が濡れないようにと私の肩を引き寄せて悠真が歩いてくれる。

悠真の誕生日なのに…。

私の方が至れり尽くせりをされてる。


「今日はありがとうな。」


そんな言葉と同時に額でリップ音がする。


「ゆう…。」


振り向けば…。

傘をさす悠真はもう私に背を向けて自分の家の方へと歩いてた。

私がしてあげた誕生日に満足してくれたのだろうか?

ずっと、その疑問が消えないまま悠真の誕生日が終わってた。


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