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振り向けば…
第24章 坊やだからさ…
とりあえず私を迎えに来る人が必要だと専務さんが言うから悠真に電話をした。
『どないした?』
私の電話に驚く悠真に病院に居る事を伝える。
『すぐに迎えに行く。』
悠真が慌てて電話を切る。
30分程度でタクシーに乗った悠真が現れた。
「彼氏?」
専務さんが不思議そうに悠真を見る。
「違います。幼なじみで家族と同じ存在なんです。」
アタフタとして説明する。
「お手数をかけたみたいで…、すみませんでした。」
何故か悠真が専務さんに頭を下げる。
「いえいえ、こちらこそ申し訳ありませんでした。森本さんを早く帰らせて休ませてやって下さい。」
そう言うて専務さんが会社に帰って行く。
今度は悠真が私の車を運転する。
「熱中症やて?」
「その軽いやつ。」
「アホか!ろくに体力がないくせに炎天下の現場を走り回るからや。」
悠真にも怒られた。
私が悪いから仕方がないのはわかっとる。
それでも今回の事は私にはかなりのショックな出来事だったと言える。
倒れた挙げ句に無理矢理の有給休暇を会社から言い渡されたとか最悪だとしか思えない。
私の休みの穴埋めを宮崎さんがする事になる。
宮崎さんだって自分の現場があるのに…。
私が休めば炎天下の中、会社中の人達に負担をかけるという事実が私に重くのしかかる。
「ゆう…。」
「うちに来るか?盆明けまで休みやろ?」
「悠真の仕事は?」
「俺は既に夏休みや。毎日、ジムで身体鍛えるだけの日々を送ってます。」
悠真がニヤニヤと笑う。
私も休みの間にジムで体力を付ければええだけだと悠真が言うて来る。