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振り向けば…
第24章 坊やだからさ…
後は仕事部屋…。
扉を開けて中を覗いてみた。
暗闇の中で悠真がパソコンを起動して頰杖を付いた姿勢でパソコン画面を眺める姿がぼんやりと見える。
「悠真…。」
「ああ、悪い。起こしたか?」
「もしかして、仕事は終わってないんか?」
「いや、ちゃう。なんとなく見直してただけや。」
悠真がすぐにパソコンを切ると仕事部屋には暗闇が訪れる。
「私のせいで悠真が眠れないんなら自分のベッドに行くよ。」
「違うて…、トイレで目が覚めたら最後にやった仕事にミスがなかったか気になって確認しただけや。」
悠真が私を追い立てるようにして仕事部屋を出る。
「とにかく、来夢はちゃんと寝ろ。」
ひたすら、そない言うて悠真が私を寝かしつける。
気付いてやれなかった。
ごめんね…。
10年以上も一緒に寝てたのに…。
自分が悠真に甘える事ばかりを考えてて、悠真の本当の辛さなんか全くわかってなかった。
翌朝に目を覚ますと悠真が私の頭を撫でてる。
「よく寝れたか?」
「うん…。」
体調的には普通だ。
その日は掃除をしたり洗濯をしたり、悠真とのんびりと買い物に行ったりするだけの1日。
翌日の昼からはマンションのジムに行く。
ただ走る。
体力を付けなければという思いだけで何も考えずに走り続ける。
「フルマラソンにでも出るつもりか?」
2時間近く走る私を悠真がクスクスと笑う。
「出れるくらいの体力が欲しい。」
「なら、飯をしっかりと食えや。今日はガッツリとステーキでも食いに行こうぜ。」
「また肉か?」
「寿司の方がええか?」
とにかく肉と寿司が好きな悠真…。
後はハンバーグと卵焼き…。
外食のハンバーグはあまり好きじゃないと悠真が言う。