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振り向けば…
第24章 坊やだからさ…
「なら、明日は私が作ったるから…。」
「あざースッ!」
こういう時の悠真は6歳の頃と変わらない笑顔を私に向けて来る。
だから悠真なら大丈夫だと勘違いをする。
相変わらずの大食漢。
400gのステーキなんか悠真の胃袋に綺麗に消える。
「最近出来たステーキ屋で自分の好きなgが注文出来るらしいから、そっちの店で600gくらい頼まんと物足りん感じやな。」
ライスをお代わりして胃袋に大量の食事を詰め込む悠真には呆れてまう。
「お前のエンゲル係数は高そうや。」
「その分、普通の人の3倍稼いどる。」
「稼げなくなったら泣く事になるぞ?」
「そん時は来夢さんのヒモになる。」
「だが断る!」
「嘘やん!?」
ふざけてじゃれ合うだけの毎日。
もし私が仕事を辞めたら、こんな毎日になるの?
それとも、ダメな女だと悠真は私を突き放す?
「悠真…。」
「なんや?」
悠真の家に帰ってお風呂上がりに悠真に聞く。
「一緒に寝てええか?」
一瞬、悠真が固まったような気がする。
「構わんぞ。」
すぐに穏やかな顔をして私を見る。
悠真の抱っこで眠る私…。
私の睡眠のマストアイテムは悠真だと思う。
それは自己満足…。
自分の事だけで精一杯の子供地味た考え方…。
「しっかり寝ろよ。」
悠真が私の髪を撫でる。
いつもと変わらない睡眠にすぐに引きずり込まれる私だった。
翌日は約束通りに悠真にハンバーグを作ってやる。
「鹿児島…、桜島の噴火とか見れるかな?」
「いや…、噴火してたらやばいやろ?」
初めて行く土地にはとにかくウズウズとする。
あれも見たい、これも見たいと悠真にガイドブックを見せて強請ってまう。