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振り向けば…
第3章 他の奴とは行くな…
「はぁ?」
「なんていうの?来夢って妹感覚?だから高橋とか肉屋が来夢が可愛いとか言うの聞いても小さいからだろ?くらいにしか思えない。」
別に悠真に好かれたいとは思うてない。
こっちこそ悠真なんかお断りだと思う。
「3組の内海さんとかなら付き合ってみたいとか思うけどなぁ…。」
悠真が鼻の下を伸ばして言う。
3組の内海さんとは学校1の美少女。
色白で背が高くてバスケ部のスポーツ少女。
胸なんかももう膨らんでいて、体育の時にはブルマから長い脚を晒すと男子が熱い視線を送ってるのは誰でも知ってる事。
そんな女の子に比べれば私は普通のチビの女。
「あっそう…、内海さんに悠真が好きらしいって言うておいてあげるよ。」
「要らね。自分で言わなきゃ意味がねえじゃん。女に伝言して貰うとか男の恥だ。」
「話はそれだけ?」
もう昼休みが終わる。
「うん、そんだけ。」
何故か悠真がご機嫌になり、今度は私が不機嫌なまま教室に戻る羽目になった。
5時限目は体育。
4組の私は内海さんと同じ授業。
彼女のスラリと長い手足を見ると悠真はこういう女の子が好みなんだと腹が立つ。
別に悠真なんかどうでもいい。
それよりも妹扱いなのにムカつく。
どう考えてもアイツの方が弟だろ!?
イライラとしながらクランドに出ると、2階のとある教室の窓には男子が群がってる。
横綱の木村さんがその男子に声を掛ける。
「授業はぁ?」
「自習っ!」
内海さん目当てに自習になった男子が窓に集まってるのだと理解した。
その男子達の中に悠真が居る。
やっぱり悠真なんか大っ嫌い!
その日から内海さんに夢中の悠真とはメールすらしなくなった。