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振り向けば…
第4章 笑ろたれや…
プールから出て悠真とたこ焼きを買いに行く。
「なぁ…、お前、また縮んだか?」
「悠真がデカくなったんや!」
175cmを超えた悠真に腹が立つ。
出会った頃は同じ目線やった。
今は悠真が私を見下ろして来る。
「あ…、高橋や。」
悠真がそう言うた。
「嘘っ?」
「マジに高橋や。しかも内海さんと来とる。」
悠真の視線の先を目を凝らして見てみる。
流れるプールの中で浮き輪を挟んで仲良く高橋君と内海さんが流れてる。
「声…、掛ける?」
「デートやろ?邪魔したんな。」
「内海さんを高橋君に取られて悔しい?」
「別に内海さんはどうでもええけど、多分、高橋の方が悔しいと思う。」
「なんで?」
「俺が来夢と居るから?」
悠真の言いたい事がよくわからない。
「内海さんの水着姿を見たかったんやろ?」
たこ焼きを食べながら聞いてみる。
「想像と違って、股間は反応しなかった。」
「スケベ!変態!」
「お前が聞いたんやんけ?」
私の質問なら恥ずかしい事を平気で答える悠真。
やっぱり、こいつってアホや。
夕方に悠真と帰ると眠くて仕方がない。
「寝てええぞ。」
うちのリビングのソファーの下に座った悠真がそう言って私の頭を膝に乗せる。
いつの間にか私の指定席に悠真も居るようになった。
悠真の膝枕で当たり前のように寝る。
悠真がタオルケットを掛けてくれる。
エアコンが苦手な私の為にプールに連れて行ってくれる悠真…。
そんな悠真と2人で昼寝をする。
買い物から帰って来たお母さんが呆れても、仕事から帰って来たお父さんが笑っても私と悠真は寄り添ったまま眠りこけてた。