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振り向けば…
第4章 笑ろたれや…



「こういうのって…、好きな奴と観る映画やろ?」

「多分な…。」


他の人とは映画を観るなと言う悠真のくせに、悠真と観る言うたら渋るって、どういう意味やねん?


「来夢と観ても盛り上がらん。」

「お互い様じゃっ!単に映画を観るだけやろ?」

「女がしがみついて観てくれるのが男の醍醐味って言うても来夢にはわからんやろ?」

「さっぱりわからん。なら観ないんか?」

「いや、観る。」


時々、悠真がわからない。

ソファーの前にクッションを置き、膝にはタオルケットを掛けてガラステーブルにはジュースとお菓子をセットする。

完璧な体制で悠真とDVDを観る。

壊れた地球の上でお父さんが家族の為に必死に安全な場所を探して走り回るという映画。

やっぱ、最後って一緒に居るのは家族か?

でも、その瞬間ってうちはお父さんが居るのか?

映画よりも、そっちの方が悲しくて泣きたい気分になって来る。

映画ではギリギリで壊れなかった地球に一応の平和が戻り、お父さんが家族を抱きしめてめでたしめでたしという感じで終わった。


「地球の最後は来夢とだけは居たくないな。」

「なんでやねん?」

「お前、最後まで俺に文句しか言わんやろ?」

「だからお互い様やろ?」

「最後は女の胸で死にたいな。」

「変態め…。」

「エロ仙人と呼んでくれ!」


悠真とふざけて笑うてた。

恋愛関係はない。

家族でもない。

だから地球の最後は悠真はきっと一緒には居ない。

だけど今は何故か悠真は私と居る。

その後は適当に借りたDVDがあまりにもつまらなくて途中で寝てしもた。

朝はやっぱり呆れたお母さんに


「来夢の部屋で寝なさい!」


と怒られた。


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