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振り向けば…
第33章 俺なんかの為に…



何がいけなかったんだろう?

そう考える。

バスタオルを取りに行って悠真がコンドームを用意する姿を見た時に私がピルを飲めば悠真が面倒な思いをしなくていいのかなと思っただけだ。

俺なんかの為に…。

そんな言い方をした。

恋人ならそんな風には言わないはず。

やっぱり私と悠真は間違いなく恋人の関係じゃないとのだと理解をする。

愛されてる勘違い。

いつだって激甘だから…。

私には深いキスをしてくれるから…。

だけどSEXはセフレの扱いなんだとか考えてまう。

私の気持ちが伝わったのかもしれない。

私の気持ちには必ず敏感に反応をする男だから…。


「悪い…、萎えた。」


そう言うて悠真が私から離れる。


「悠真…。」

「コーヒー入れたるわ。」


一瞬で悠真が素に戻る。

いつもの悠真…。

私をあくまでも家族扱いする悠真…。

何故、恋人じゃいけないの?

そんなに私は愛せない女?

悠真の好みになったはずなのに…。

悔しさと悲しみに押し潰されそうになる。


「映画でも観ようや。」


有料チャンネルの中から悠真が適当な映画を選び、ティラミスを食べながら悠真と映画を観る。

悲しい映画だった。

いや…、切ないと言うべきかしら?

SFミステリーの内容だけども自分の想い人の為に何度も運命を変えようとする男の人の物語。

何度も何度も運命を変えようとする男の人が悲しくて切ない映画。

涙が出た。

悠真との運命を変えたくて何度も自分を変えようとして来た自分と重なるから…。


「泣くほどの映画か?」


悠真が私を覗き込む。


「うん…、悲しいの…。」


どんなに努力をしたとしても私と悠真の距離が縮まらないから…。

涙を流しながら映画を観るしか出来なかった。


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