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振り向けば…
第34章 えへへ…
1人のベッドで目が覚める。
夕べは悠真とは別々で寝た。
身体が怠い気がする。
気持ちが落ち込んでるから…。
でも、今日はお弁当を持って出掛ける約束。
ベッドから出てカーテンを開くと少しどんよりとしたお天気…。
お弁当日和にはならないかも…。
私の気分と同じようなお天気を見せて来る空を睨みつける。
顔を洗って着替えを済ませてリビングに行けば、既に悠真がコーヒーを飲んでる。
「おはよう…。」
穏やかな笑顔を私に向ける。
「おはよう…。」
悠真との朝ご飯を作りながらお弁当の用意をする。
悠真が好きなカツオのおにぎり。
悠真が好きなホットドッグ。
卵焼きにハンバーグ。
アスパラガスを炒めたり、フライドポテトを揚げたりしながらお豆腐のお味噌汁と焼き鮭の用意もする。
悠真の前に朝ご飯を並べてから、まずは2人で朝ご飯を食べてお弁当箱に冷めた食材を詰め込んでいく。
「そろそろ行くか。」
そう言うた悠真と出掛ける。
今日は私の車で姫路に向かう。
「お天気…、悪いね。」
「まぁ、しゃあない。」
運転をしながら悠真が鼻歌を歌う。
「ゆう…。」
「ん?」
「何でもない。」
「なんやねん?」
悠真が苦笑いで私を見る。
不機嫌は感じない。
なのに微妙な距離を感じる。
まずは約束通りに姫路城に向かった。
建築された当初からの天守が残ってる事で有名な姫路城…。
別名が白鷺城と呼ばれ、その名の通りに白いお城。
世界遺産にも登録された貴重な建築物であるから私は必死になって観て回る。
「壁とか見ておもろいんか?」
「復元のコンクリートとちゃうんやで!?」
200年近く前の建築物がそのまま見れるチャンスに私だけが興奮する。