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振り向けば…
第4章 笑ろたれや…
お母さんはお父さんの荷物を持ってもう病院に行ったらしい。
悠真から受け取るようにしておじいちゃんが私を抱きしめて来る。
「アイツは昔っから家族に心配ばかり掛けるダメ息子や。おじいちゃんの育て方が悪かったんや。ごめんな。来夢が辛い思いする事ないんやで…。」
おじいちゃんなりに私を慰めているとわかる。
無口なおじいちゃん。
だけどお父さんが可愛くてお父さんを甘やかした。
今は私と弟の来人を甘やかしてくれる。
「おじいちゃん…。」
お父さんと似ているおじいちゃんも好き。
「ハンバーグ…、食べに行こか?」
近所のハンバーグレストランに行こうとおじいちゃんが言う。
本当はハンバーグはあまり好きじゃないおじいちゃんなのに…。
私の為ならとハンバーグのレストランに連れて行ってくれる。
「俺はラーメンの方がいい。」
来人が口を尖らせる。
「明日はラーメンに連れて行くから今日はハンバーグで我慢しろな。」
おじいちゃんが今日は私が優先だと来人に言う。
いつも私が優先の家族だった。
だから来人が冷めた子になった。
お母さんはそれがわかってて来人を出来るだけ私よりも構った。
お父さんが誰よりも私を一番に可愛いがり、おじいちゃんもお父さんの為に私を優先する。
私には悠真も居る。
悠真もハンバーグのレストランに一緒に来る。
「明日、学校が終わったら俺が来夢をオッチャンの病院に連れて行きます。」
おじいちゃんに悠真がそんな話をする。
私はまだ子供で悠真はもう大人だった。
「悪いな…、頼むわ。」
おじいちゃんも悠真に私を託した。