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振り向けば…
第39章 長いな…
『うちの会社の人なんだけど、大学時代の友人を集めてくれるらしいから、顔だけでも出しなよ。』
木村さんが私を引っ張り出そうとして来る。
どうやら人数の関係があるらしい。
予定としては男性5人、女性5人の合コンだと木村さんが言うて来る。
そのうちの女性3人が木村さんと同じ会社の女子社員らしい。
『結構、良い大学らしいから良い男が来るかもよ?』
相変わらず押しが強い木村さんに苦笑いをする。
『顔出すだけだよ。』
付き合いが悪いとは思われたくない。
元横綱…。
押しの強い木村さんが一緒なら妙な事にはならないだろうと考える。
そんな軽い気持ちで参加する事になった合コン。
別に本気で男探しをするつもりはなかった。
その時はとにかく長く感じる1日に耐えられなかっただけの事。
そんな風に予定があれば誰かと過ごせるのだから少しでも時間が進んでくれるだろう程度の気持ち。
まさか、その合コンで私が私の運命の人と出会う事になるとか全く予想だにしてなかった。
あれは一体なんだったのだろう?
神様のイタズラ?
運命とか悠真が言うたびに、くだらないとか思う私だったはず…。
神様は信じるくせに運命なんか信じない私が運命を感じた日には間違いない。
その日まで私の長い1日は終わらない。
食事はいい加減な食事ばかり…。
ノートに書く妄想の世界だけが果てしなく広がり続けるから、このひと月余りで5冊もノートを買うて帰る日が続いた。
悠真のように眠れない日もあった。
そんな夜を過ごした翌日は仕事で必ず頭と身体がフラフラとするから現場に行く途中で車を停めてお昼寝をする事もある。
自分が壊れていくような気がする。
しっかりしなければ…。
そうやって自分に言い聞かせる毎日を過ごすだけだった。