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振り向けば…
第40章 二日酔い…
「あー…、もう…。」
会社のトイレでイライラとする。
今日は合コンだというのに私の爪にはオイルのようなものが入ってる。
今日で終わりの現場で重機の移動を私がしたから…。
オペレーターの人に頼めば良かったけど、ほんの少しの移動だったしオペレーターはトイレ中とタイミングが悪かった為に私が作業をしてもうた。
その重機の最終確認をした時に付いたと思われるオイルが私の爪を黒くする。
一層の事、黒いマニキュアを買うて来て魔女みたいな手にしてやろうかとか考える。
目立たない程度にオイルを取り、ため息のまま会社のトイレから出る。
明日から2連休…。
そんな金曜日の夜は宮崎さん流に言うならば花金という日で飲み会や合コンにはうってつけらしい。
なのに私の気は重い。
わざわざ車は現場から会社に戻る途中で我が家の駐車場に置いて来た。
服だって作業服とはいかないからニットワンピースに着替えて女子力に備えてる。
それでも気が乗らない合コン。
諦めて約束の駅へと地下鉄に乗り向かう。
約束の駅には早くも内海さんが居る。
「木村さんは?」
「まだみたい。」
内海さんも仕事帰り…。
やはり事務員ですという地味な姿には変わりないけど今日はメガネを外してるから昔ながらの美人の顔立ちがはっきりとわかる。
本当は目が悪い内海さん…。
中学、高校とメガネをするのが嫌だと言うてコンタクトにしてたけど、コンタクトが乾くと目が痛くなるから授業に集中が出来ずに成績が上がらなかったのだと最近になって知った。
さすがに今日は合コンだからコンタクトにして来たと内海さんが笑う。
「あっ、木村さんが来た。」
視力だけは良い私が先に木村さんを見つける。