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振り向けば…
第41章 ただいま…



ネットの格安予約はあくまでも宣伝用の部屋だから、直ぐに予約がいっぱいになり満室のように見えるけど本当は値段にこだわらなければホテルはいきなりでも泊まる事が出来るらしい。

私と寝る。

それだけで値段にこだわらない男。


「だからって…、高級ホテル…。」

「レイトが出来るからな。」

「何、それ?」

「レイトチェックアウト…。ホテルを出る時間に焦る必要がない。」


贅沢極まりない話だと思う。

同じ大阪に家があるのに…。

悠真はいつだって至れり尽くせり。

文句を言う気さえ失くしてまう。


「やっぱり眺めがええなぁ。」


無事にチェックインした部屋で悠真が叫ぶ。

広い部屋。

スィートルーム…。

贅沢極まりない部屋で私だけが小さくなる。


「ゆう…。」

「ん?」

「あんまり贅沢は…。」

「そういう価値は俺が決める。」


きっぱりと言い切る悠真に言い返す事すら出来なくなる。

いつから悠真に逆らえなくなった?

昔は全て私の意見だった気がする。

人を愛せない男を愛した弱味?

私と悠真の感覚のズレが怖くて身震いする。


「寒いんか?」


私の顔を撫でて聞いて来る。

首を横に振ると悠真が私の頬にキスをする。


「ルームサービス取るから、来夢は風呂にでも入って来いや。」


そう言いながらも私の顔中にキスをする。

久しぶりだから…。

私を手放したくないかのように悠真が顔中にキスの雨を降らせる。

察するというスキルを覚えた私…。


「ご飯もお風呂も後でいいよ…。」


悠真の服の端を握ってそう言うてやる。

たった、それだけでご機嫌の笑顔を見せてくれる。

ふんわりと私を抱き上げて私をベッドに寝かせる。


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