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振り向けば…
第5章 悔しいけど…
2年生の目立つこのメンバーは女子代表や男子代表の応援団長も務めてるという。
「夏休みに練習とかするから、是非参加しなよ。」
ノリノリの派手グループに感覚がついていけない自分が居る。
部活が終わると溝口先輩が私を家まで送ってくれる。
「私…、踊れない。」
「教えてやるから大丈夫。」
自信満々に笑顔を向けて来る溝口先輩にドキドキばかりしてまう。
「先輩がそう言うなら頑張る。」
「おうっ!頑張れ!」
溝口先輩が居ればなんでも出来る気がした。
すぐに体育委員からのお知らせでHRに応援団の選出が始まった。
美保と2人で立候補すると悠真も立候補する。
悠真と仲の良い女子達も立候補をするから、うちのクラスはあっという間に8人が決定した。
「来夢が応援団?」
家に帰ってからお父さんに話をするとお父さんが驚いた顔を私にする。
「変?」
「いや、別にええ事やと思うぞ。来夢も来人もなんとなく冷めたところあるから、それが現代っ子なんやと思うてたわ。」
「来人ほど冷めてないよ。」
「来夢も冷めとるよ。俺のせいかもしれんけど…。」
既に4度も命の覚悟を言われ続けて育ったら冷めた子になっても不思議じゃない。
「悠真も応援団なんか?」
「うん…、そうみたい…。」
「なんや?お前らまた喧嘩中か?」
お父さんが笑う。
悠真の方はともかく私の方は意図的に悠真を避けてる部分がある。
うちに来て溝口先輩の事をあれこれ言われたくないという気持ちが働いてる。
「さぁ、別に喧嘩はしてないけど…、話とかせえへんからわからんわ。」
適当にお父さんが心配をしない程度の話をして誤魔化す自分が居た。