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振り向けば…
第45章 臭いよ…
その後は、ひたすら私とどう話合うべきかを考えて仕事に集中が出来なかったと悠真が言い訳をする。
「私は飯の為に呼ばれたんか?」
「だから、ちゃうて!」
「なら、なんなんよ?」
「なんて言うてええんかなんか俺にも、ようわからんわ。」
「なんなん?その言い方。」
「とにかく俺が悪かった!ごめんなさい!すみません!許して下さい!だから、お前はここに居てくれ!今は俺を仕事に集中させてくれ!」
発狂する悠真に笑うてまう。
「なぁ…、そんなに食洗機が欲しかったんか?」
仕事の続きを始めた悠真がそんな事を聞いて来る。
「私が洗い物をしてても一度も手伝ってくれた事ないからな。しかも、ダイニングテーブルやらなんやらとやたらと物が増えてるし。」
「あれは全部オカンに藤井さんが買い与えた物や。だからオカンにはさっさと出て行け言うてる。」
仕事でパソコンしか見ない悠真に寂しいと思う。
だから仕事中の悠真の背中に抱きついて肩から腕を回してやる。
「ゆう…。」
「ん?」
「キスして…。」
「それは無理。」
「なんでよ?」
仲直りをしても私を簡単に突き放す。
「俺かて来夢とやりたいけど、今はほんまに仕事に集中せんとやばいねん。」
「別にキスだけやん。」
「俺はキスだけで止まる男じゃありません。」
感情がないくせにキスなどの行為には歯止めが効かない男だとか言いやがる。
道理で家族旅行の時もよそよそしいはずだ。
少しでも愛情を示せば朝まで私を抱きたくなると言う悠真にため息が出る。
「なぁ…、来夢。卵焼きが食いたい。」
ひたすらパソコンと格闘する悠真が言う。
「任せとけ…。」
私は悠真の為に卵焼きを焼いてやる。
私のヤキモチで私の勘違いだったかもしれないけど2度と悠真が他の人と生活とかして欲しくないと願う私は悠真の為だけの卵焼きを焼き続けた。