この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
振り向けば…
第6章 俺だけ見てろ…
生徒会長で学校No.1のイケメンの衣装。
失敗したら、学校中の女子から非難を浴びるような気がして緊張する。
「美保、手伝って…。」
「了解、了解。」
美保が担当した衣装は適当な子の衣装だからと熱心に私が引き受けた日下先輩の衣装のミシン掛けを手伝うてくれる。
「今日は男子と合同練習だっけ?」
「そうだよ。」
応援団の持ち時間は10分。
女子の踊りから始まって男子の踊りの流れから曲が変わって男子女子の混合ダンスという感じ…。
何故か混合ダンスの私のパートナーは悠真だ。
背の高い悠真と低い私ではダンスを合わせるのにも一苦労なのに…。
「1年の有名人を組ませるべきだ。」
とか言われて組まされた。
私は溝口先輩のせいで有名になったのはわかるけど何故悠真が有名人?
「2年と3年が今年の1年の男子で一番イケメンは誰か?ってアンケートを取ったら悠真がダントツだったらしいよ。」
美保がそんな事を教えてくれる。
黙ってればイケメン男子。
口を開くとただの変態男子。
だけど面白くて可愛い子だと悠真は女子の先輩達に何かと声を掛けられてる。
いざ合同練習が始まると…。
「なんで、その2人だけがバラバラなの?」
私と悠真だけが注意される。
私がなんとなく悠真と距離を離すからだ。
「ぐっさんが妬くくらいくっついて踊らないとダメだよ?」
そう言われても…。
近付くと悠真の身体しか見えなくて周りが見えないから自分の踊りがズレてないかと不安だらけになり、悠真から少しずつ離れてまう。
「俺だけ見てろよ。」
悠真はそう言うけど、私はそっぽを向く。