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振り向けば…
第50章 寝るな…
目が覚める。
私が居るお布団からは既に悠真が居ない。
眠らない悠真である以上、この先はずっと感じる事になる寂しさだと自分を納得させる。
お布団の周りに散らかった私のパジャマを着てリビングに向かう。
パソコンを眺めながらコーヒーを飲む悠真が見えて来るとホッとする。
「来夢もコーヒー、飲むか?」
「うん…。」
悠真が入れてくれるコーヒーを飲みながら朝ご飯の用意をする。
夕べの残りのローストビーフとサラダをパンに挟んだだけの簡単なサンドイッチ…。
それを2人がコーヒーでお腹に流し込む。
「悠真…、コーヒーを飲むから余計に眠れなくなるんじゃないの?」
「さぁな…、けどコーヒーだけは止められへん。」
うちのお父さんのタバコと同じだと思う。
止めろと言われれば、ますます止めれなくなる悪癖。
「そろそろ、行くぞ。」
私がシャワーを浴びて出掛ける準備をしてる間に悠真が朝食の後片付けや戸締まりの確認を全てやってくれたから私は自分の事だけが出来る。
今回は珍しく私の車…。
すっかり悠真の車の扱いになってる。
「白浜までどのくらい?」
「2時間ちょい…。」
悠真がナビを確認する。
欠伸が出る。
ポカポカ陽気…。
雨かもと聞いてた天気予報がハズレて青空が見えるけど逆に眠くて堪らない。
「眠いんか?」
「悠真が寝かせへんからやろ?」
「あかんのか?」
不機嫌な声…。
「あかんとは言わんけど…。」
「悪いな。俺にはTPOとか期待すんな。」
少し居直った言い方に腹が立つ。
「なんなんよ?」
「別に…。」
悠真の不機嫌の理由がわからない。
私がなんかしたか?
ひたすら考え込む私の頭を悠真が撫でて来る。