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振り向けば…
第58章 それは反則だから…
「寝るな…。」
「眠いもん。」
「俺も出来るだけ来夢が寝る時間に寝る努力をしたるから来夢は俺と居る時間は起きる努力をしてくれ。」
悠真が私の顔を撫でて懇願する。
それは珍しい悠真の我儘。
お父さんの言葉の意味が悠真の中ではよほど重かったらしい。
「なんで反則技でもええって気付いた?」
悠真に聞いてみた。
穏やかに笑う悠真が私の顔を撫でる。
「来夢は真面目やから俺が馬鹿をやったら、すぐに怒るけど…、あの瞬間は来夢が悔しい顔をすんのが嫌やっただけや。」
そう答えた悠真に驚きが隠せない。
私の気持ちなんか全然わからん男だとばかり思うてたから…。
「悠真…。」
「まだまだ、そりゃわからん部分は多い。けどな来夢が泣きそうな顔したり悔しそうな顔するのだけはわかるようになったから俺はそれを阻止する事だけを考える事にする。」
お父さんに考え過ぎるなと言われた悠真は私の全てを理解して補おうとする無茶はしないと考える。
結婚とは勢いだ。
私にそない言うた玲奈さんの言葉が今ならわかるような気がする。
あれこれと考え過ぎて枠にハマる私と悠真には勢いが足りなかった。
反則でもお父さんを倒す勢いで結婚を望む姿勢が私と悠真に必要だと今なら理解が出来る。
「結婚式とかどないするの?」
「身内だけを集めてハワイでやる。」
「ハワイ?」
「連れてったる約束やろ?」
悠真が笑いながら私のお尻を撫で出した。
「止めろ!」
「ええやんけ。オッチャンも認めてくれてんから。」
相変わらず恥ずかしいとかいう感情を持ち合わせてない悠真は平気で私のスカートの中に手を入れる。
「やるなら悠真のマンションに帰る!」
「あかん、緊張する来夢が見たい。」
「悠真っ!」
「あんまデカい声を出したらオッチャンらに聞こえてまうぞ。」
変態悪魔がニヤニヤと笑う。
その手は既に私のパンティーの中に入り込みお尻の割れ目を撫で回す。
コイツと結婚する。
お父さんに考え過ぎるなと言われたばかりのくせに密かに考える。
絶対に悠真の変態を治してやる!
その決心は無駄だと悟るのに半年の時間を費やしたとだけ述べておく。
私の悠真に対する後悔はまだまだ続く事になるという日だった。