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振り向けば…
第1章 アホの子…
その状況の為に大阪に来た悠真親子だったのに、お父さんの入院で微妙な状況になってまう。
お父さんが帰って来ないと不安な気持ちだったのは私だけじゃない。
ボロボロと泣く私を悠真が抱っこするようにしがみついて来る。
「泣くなや。お前が泣いたら、俺がまたオカンに殴られるやんけ。」
そう言いながら悠真も泣いてた。
2人で裸のまま抱き合って湯船の中で泣き続ける。
当然だけどお馬鹿な2人はお風呂で逆上せて2人して夕食も食べられずに布団に寝かされた。
ただ不思議だったのは朝まで悠真と私は手を繋いで寝てたらしい。
そんな出会いが私と悠真の人生の始まり。
気付けば悠真が必ず居た。
保育園の卒園式にも悠真が居た。
おじいちゃんが私の好きなハンバーグを出すレストランに連れて行ってくれる。
そこにも必ず悠真が居る。
その後の日から悠真の家で私は悠真と悠真のお母さんと過ごす事になる。
悠真と夜のご飯を食べたらお母さんかおじいちゃんが迎えに来てくれるという生活。
お母さんが仕事が休みの日くらいは悠真の顔を見ないのだろうとか思っていたのに
「悠真君と来夢のランドセルを買いに行くよ。」
とお母さんが言うから、やっぱり悠真と一緒に居る事になる。
そんな生活が当たり前になった頃、私と悠真は仲良く同じ小学校へと入学をした。
なのにお父さんが帰って来ない。
やっぱり入学式の夜はおじいちゃんがハンバーグのレストランに連れてってくれたのに、私はお父さんが居ない寂しさに泣きそうな顔しか出来ない。
そんな時の悠真はただ、黙って私の手を握ってくれるようになっていた。