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振り向けば…
第8章 お前と同じ大学…
美保となら釣り合うのに…。
スラリと背の高い美保と悠真が並ぶと如何にもお似合いカップルに見える。
「悠真、ソロの部分は大丈夫なんか?」
「ちょっと見てろや。」
悠真がニヤリとする。
飛んだり跳ねたりのダンスの中で三連続バク転でのフィニッシュ…。
「バク転出来るんか!?」
「授業でやるやんけ?」
アクロバットは男子だけです…。
女子は平均台を落ちずに渡れたら単位が貰えます。
「まぁ…、来夢さん、昔っから運動音痴やし…。」
悠真の嫌味にいじけてやる。
どうせ私はちんちくりんの運動音痴の女です!
「ハンバーガー奢ったるからいじけんな。」
悠真が私の頭を撫でて来る。
「先輩!俺も俺も!」
「男には奢らねえ!女子だけや。」
最近の悠真はやたらと羽振りがいい。
悠真のお母さんが新しく買ったパソコンで悠真がお金を稼いでるとは言うてた。
応援団でゾロゾロとハンバーガーショップに向かう。
「先輩は推薦決まったんですか?」
2年生の女子が悠真に聞く。
3年生になって初めて知ったけど悠真の成績は私よりも良い。
当然、決まってるはず…。
「いや、まだ決めてない。」
「嘘っ!?」
「もしかしたら働くかもな。うちは母子家庭やし。」
誰もが沈黙をした。
悠真だけが涼しい顔でハンバーガーにかぶりつく。
学費の問題か?
それならうちのお父さんに言えば…。
「来夢…、余計な事は言うなよ。」
私が言う前に悠真に釘を刺された。
夏休みは一応夏期講習を受ける。
応援団の練習と夏期講習の合間に日下先輩と図書館で会う。