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ありがとうを君に…
第14章 告白
「俺と…俺と付き合ってほしい…イヤッ、結婚して
くれないか?
君が俺の前からいなくなったこの7年…俺には
何もない7年だった
何の感情もない、ただ毎日を淡々と過ごし、色の
ない景色を見て、どうにかここまで来た」
「C病院はどうして辞めたの?」
「あの病院にいると、仁実を…君を探している
自分がいたんだ…ちょっと辛くなってね…ハハハッ
あの場所から逃げたって言った方がいいかな…」
「先生…同じだね、私達…」
「……?」
「私もね、先生と別れてホテルを出た後電車に
乗ったの、窓から外を眺めてたら色がなくなって
た…景色がね…色がなかったの
私には…何もなくなってた…何もね
だけどね、倖太がお腹の中にいるってわかった
時、目の前がキラキラしたの…大好きな人の…
愛する人の子供が私のお腹の中にいるって
すっごく嬉しくて、死ぬほど嬉しくて…
あの子が私をここまで支えて、引っぱってきて
くれたの、今の私がいるのは…あの子のお陰…
なんです…グスンッ…グスンッ」