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ありがとうを君に…
第17章 ありがとうを君に…
「仁実…これ、プレゼント…受取ってくれる?」
「先生…私、何も準備してない…」
「仁実はプレゼントくれたじゃないか!今日一緒に
お揃いのお茶碗や湯飲み…買ってくれただろう?」
「でも、それは…」
「実はね、このプレゼント…7年前のクリスマスに
仁実に渡そうと準備してたんだ…あの時渡せなかった
仁実だけにしか渡せない物…だから、受取って?」
「…これっ、嘘っ…可愛い…こんなに素敵な…」
「仁実、手…出して」
「うっ…先生…とっても綺麗…ありがとう…」
左手を目の前にかざし、滲んだ瞳が映すもの…
薬指に光る愛と未来の誓いの輪…
「パパーッ、ママーッ…ずっと一緒だね…
僕たち、ずっと、ずっと一緒だね!」
「うんっ!そうだね…ずっと一緒だよ」
「仁実…7年間、いっぱい辛い思いをさせて
しまって…本当にごめんなっ、倖太をこんなに
立派な子に育ててくれて…本当にありがとう!
仁実…君には、ありがとうって感謝の言葉しかない…
何回言っても、足りない…全然足りないよ!
これからは、仁実の隣でずっと言い続けたいんだ。
ありがとうを…
ありがとうを君に…
ずっと、俺の横にいてくれる?
ずっと、俺と一緒に生きてくれる?
俺はずっと、仁実を愛し続けるよ」