この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ありがとうを君に…
第7章 出会い
声が出ない私の代わりに返事をしてくれる誠一
「よろしくお願いします」
と、看護師さんに挨拶もしてくれている
車椅子に乗った私は、看護師さんに押されながら
診察室へ
「ハーッ…」
私はついつい、小さなため息をついてしまった
中で座っていた先生は、眼鏡を掛け、どことなく
冷たく笑顔のない、そんな感じの人だった
また手に負えないって言われるのかな…
また違う病院に紹介状書くって言われるのかな…
そう思ってた時に
「大野さん、私の指を見てください」
と、人差し指を顔の前に立て、左右に動かして
いる
「頭は動かさず、目だけを動かすようにして
見てくださいね」
私は言われた通り見る
今度は、私の方に近付けたり先生の方に戻し
たり…
「うん、ハイ…いいですよ」
続けて、看護師さんに
「CTの準備、連絡して」
私を見ると
「CT撮ってみましょうね」
言われるまま、私は検査室に連れて行かれた