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ありがとうを君に…
第7章 出会い

声が出ない私の代わりに返事をしてくれる誠一
「よろしくお願いします」
と、看護師さんに挨拶もしてくれている

車椅子に乗った私は、看護師さんに押されながら
診察室へ

「ハーッ…」
私はついつい、小さなため息をついてしまった
中で座っていた先生は、眼鏡を掛け、どことなく
冷たく笑顔のない、そんな感じの人だった


また手に負えないって言われるのかな…
また違う病院に紹介状書くって言われるのかな…


そう思ってた時に
「大野さん、私の指を見てください」

と、人差し指を顔の前に立て、左右に動かして
いる

「頭は動かさず、目だけを動かすようにして
見てくださいね」

私は言われた通り見る

今度は、私の方に近付けたり先生の方に戻し
たり…

「うん、ハイ…いいですよ」

続けて、看護師さんに
「CTの準備、連絡して」

私を見ると
「CT撮ってみましょうね」


言われるまま、私は検査室に連れて行かれた


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