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ありがとうを君に…
第8章 別れ
なんて切り出そう…そう思っていた時
「体はどう?随分よくなってきたんじゃないか?」
と誠一が話し出す
「うん、めまいもなくなってきて、最近は歩く
練習をしているの」
「えっ?歩く…練習?」
「そう、ずっと横になってばかりで移動も車椅子
だったでしょう、足の筋肉が落ちてまともに歩け
なくなってたのよ 私」
「そうか、そうだったのか…何もわかってやれなく
て、ゴメン…」
「ううん、もういいの、もう…私ね、誠一に
言わなきゃいけない事があって…忙しいのに
今日は来てもらって、本当にごめんなさい」
誠一は、何となくだが私が言おうとしている
言葉をわかっているんじゃないかと思う
神妙な顔つきだ
なかなか切り出せない私を見かねて
「で?話というのは?」
と、誠一が本題に入ってくれた