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ありがとうを君に…
第8章 別れ
「あっ、うん…あのね、この前ね、誠一から電話が
あった時、あの時の誠一が言った言葉覚えてる?」
「……」
「私ね、言葉に出来ない位ショックで、とても
ショックで…誠一の目に、私ってそんな風に
映っていたんだって思うと本当に辛かった…
でもね、今までもそうだったの、私がどんなに
お父様、お母様に言われても、誠一は私に手を
差し伸べてくれなかった
退院して、またあの場所に戻ると思うと震えるの
自分の力で立てなくなる…
自分の足で歩けなくなる…
前に進めなくなる…
もう、辛くて…辛くて、私、笑えないの…
誠一…私達別れよう、離婚してください」
「……」
「もう私達…ううん、私は無理なの、ごめんなさい」
「いつ言われるか、いつ言われるかって、ずっと
思ってたよ、仁実が辛い時、助けてあげられなくて
1番わかってあげなきゃいけなかったのに…
本当にゴメン
親には俺から言うから、もう親の前に出て行かなく
ていいから、だから安心して!もう、不安に思う
事はないから。
俺が仁実の為にしてあげられる…
これが、最後にしてあげられる事なのかも知れ
ないな…」