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セックスと愛とフレグランス
第7章 兄の彼女
ふいに、愛先輩が智広の隣に座った。

ベッドが微かに揺れる。

背筋がぴんと伸びた愛先輩は、ソープ嬢ではあるが高貴な佇まいを感じさせた。

ワイシャツの裾から覗く太ももに視線が吸い寄せられる。

触れたい衝動に駆られるがぐっと堪えた。

恥ずかしさのあまり背中を伸ばし正面を見ると、横長の鏡に自分と愛先輩の顔が映っていた。

彼女は片方の髪を耳に掛けながら鏡越しにいう。

「いつもボーイさんから指名を受けるとね、待機室のモニターでお客さんの顔を確認するの。最初の智広くんを見た時、随分若い子だなぁとは思ったんだけど、まさか相手が智広くんだなんて想像もしなかった。知り合いが訪れるなんて予想してないからね。東京じゃなくて川崎で働いてるのはそういう理由なの。――智広くんって高校生の時の面影がすっかりなくなっちゃったから見違えたな。もう大人の男性だね」
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