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第7章 〜Uとの心理戦〜

仮面夫婦生活とはいえ、郁美に対する具体的不満はない。

あまりにも穏やかに時間が過ぎ、郁美とUが不倫関係にあることが嘘であるかのような錯覚に陥ることもある。

しかし、現実に郁美とUの不倫関係は事実である。

年明けの離婚を決意してはいるが、郁美とこの先一緒にいるのも悪くないかもしれないという考えがたまに脳裏に浮かぶこともあった。

以前、郁美とUの関係を知ったとき、Uに調教される郁美が真実の姿だと思った。

そして、私には偽りの姿で接していると。

しかし、そうではないのかもしれない。

私と接する郁美を見ていて、偽りの姿だとは感じない。

きっと、どちらも本当の郁美なのだ。

郁美にとって、私が郁美のもうひとつの姿を受け入れる包容力や柔軟性がないと感じた結果が今の状況かもしれない。

ひょっとしたら郁美は一番の理解者であるUと一緒になるのがいいのかもしれないとも思う。

そんなことを日々考えながら過ごし、また時間が過ぎる。

長期出張に出る2日ほど前、Uとやりとりをしていたメールアカウントを確認すると、Uからメールが届いていた。