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郁美の真実 〜妻を閉じ込めた魂の檻〜
第8章 〜郁美、小学5年生 地獄の始まり〜
しかし、一見、郁美にとって最も安全だと思われていた環境が、逃れることのできない心の檻に変わる出来事が起こる。
以前、私が「みるく」の画像投稿スレで他人になりすまし、「初体験はいつですか?」という質問を書き込んだ。
郁美はこの質問に、つい正直な回答をつけ、直後に削除した。
郁美は「自分が変わっていると感じたのは小学生のころで、初体験は小学生5年生です」と回答した。
今思えば、この回答は、郁美の過酷な体験の始まりを、かなり要約して的確に表現していたとも言える。
郁美の父親が仕事で不在がちなのに加え、母親が入退院を繰り返す生活はしばらく続いた。
郁美が叔父の家で過ごす日々も続く。
郁美は相変わらず、複数の習い事に通い、まとまった自由な時間を過ごすことはなかった。
そんな中、郁美の娯楽といえば、たまにテレビドラマや映画を見ることだった。
とはいえ、一般家庭の子どもに比べれば、テレビを見る暇さえないことが多い。
習い事で分刻みのスケジュールをこなしていた郁美には、普段やっとの思いで見ることのできたドラマや映画、友だちから借りた少女漫画のドラマチックな場面を思い出し、空想することが一番手軽な娯楽となっていた。
以前、私が「みるく」の画像投稿スレで他人になりすまし、「初体験はいつですか?」という質問を書き込んだ。
郁美はこの質問に、つい正直な回答をつけ、直後に削除した。
郁美は「自分が変わっていると感じたのは小学生のころで、初体験は小学生5年生です」と回答した。
今思えば、この回答は、郁美の過酷な体験の始まりを、かなり要約して的確に表現していたとも言える。
郁美の父親が仕事で不在がちなのに加え、母親が入退院を繰り返す生活はしばらく続いた。
郁美が叔父の家で過ごす日々も続く。
郁美は相変わらず、複数の習い事に通い、まとまった自由な時間を過ごすことはなかった。
そんな中、郁美の娯楽といえば、たまにテレビドラマや映画を見ることだった。
とはいえ、一般家庭の子どもに比べれば、テレビを見る暇さえないことが多い。
習い事で分刻みのスケジュールをこなしていた郁美には、普段やっとの思いで見ることのできたドラマや映画、友だちから借りた少女漫画のドラマチックな場面を思い出し、空想することが一番手軽な娯楽となっていた。