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郁美の真実 〜妻を閉じ込めた魂の檻〜
第10章 〜背徳への萌芽〜
叔父の支配下に置かれた現状が続けば、自分がおかしくなってしまう。

幼いながらも、そう悟った郁美には、ひとつだけ望みがあった。

いつも一緒に遊んでくれた、いつも優しくしてくれた、2つ年上のお姉ちゃん。

叔父の長女である。

具体的なことまでは思いつかない。

しかし、彼女に頼ることで現状が打開できるのではないかと思った。

以前少し触れたが、彼女は郁美の2歳年上で、現在も郁美が実の姉であるかのように接する人物である。

郁美と結婚後、親戚付き合いの中で見た限り、私にはそう見えていた。

名前を「早紀」という。

彼女は叔父方の血筋の良さに漏れず、頭脳明晰で、やはりピアノやバレエなどの英才教育を受けた女の子だった。

このとき、13歳の中学1年生だが、郁美は、すらっとした長身で、ますます大人の雰囲気を身につけつつある彼女を心から信頼していた。
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