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郁美の真実 〜妻を閉じ込めた魂の檻〜
第13章 〜別離〜
私が知らなかった郁美の真実の姿。

それをつくりだす原因となった郁美の壮絶な過去。

郁美が私に自分の過去を打ち明けることできなかった理由もわかる。

ひとりで抱え込むことができなくなり、優しかったUに再び話してしまった気持ちもわかる。

また、郁美の秘密の秘密を打ち明けられ、自分だけの心の内に秘めておくのが重苦しかったUの気持ちもわかってしまった。

私は郁美とUとの不倫関係を知ったとき、その背景にあるものなどに到底思いは巡らなかった。

ただ、単に裏切られたと....

そして、私を裏切った郁美など、もはや私の歪んだ性的欲求にする以外に使い道はないとさえ思った。

郁美の内に秘めた苦しみなど全く理解していなかった。

Uによれば、今も郁美は、親戚の集まる席で、叔父や叔父の長男と顔を合わせると、動悸や頭痛、吐き気がするらしい。

そんなことも知らず、私は郁美の叔父や義彦を尊敬すらしていた。

まったく自分の間抜けぶりが嫌になった。

Uは私にこの話をして、吐き気がすると言った。

私も郁美の叔父や義彦の外道ぶりに吐き気を催さずにはいられなかった。

私は今後どう行動すべきか。

1か月ほどじっくりと考えた。

ひとつは、もはや憎悪の対象になった郁美の叔父とその長男義彦をどうしてやるかだった。

正直、すべてぶちまけて、二人を社会的に抹殺してやりたい。

実際、そうしてやろうと思った。

しかし、その行為がもたらすであろう結果を考えた。

私が叔父や叔父の長男の過去の行いを知っている理由に説明がつかない。

そして、何より、どうやっても、郁美が幼少の頃から守ろうとしてきた、両親の心の平穏を粉々に打ち砕くという結果につながる。

それを避ける方法がどうやっても思いつかなかった。

私の行動によって引き起こされる事態を考えると、単純に叔父たちに制裁を加えることは、安っぽい正義感から来る独りよがりの行動に過ぎないだろう。

最も納得いかない方法だが、私もまた、郁美の過去の秘密を、自分の心の中だけに留めることにした。
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