この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
約束のピンキーリング
第4章 |
「今からでも俺たち時間差で出勤する?」
会社のエントランス付近まで来て、岡本主任は再び笑いながらそう言った。
絶対に本気で言ってるわけじゃない。
明らかに顔が楽しそう。
「そんな時間ないですって!今日は朝一で社内会議ですよ」
「そうだったな」
のらりくらりといい加減なことを言うけど
「うちの」プロジェクトを任されてる人だ。
社内評価の高さは異例だ。
そもそも・・・
経管は社内の精鋭たちが集う。
あの華やかな3人の同期たちに目が行きがちだけど
本来は何千人という全国の同期入社の中から毎年1人か2人が経管に配属される。
配属がない年も珍しくない。
そこで1年早く主任に昇進をした人だ。
いったいどんな頭の回転をしているのか見当もつかない。
「資料はそろっています。フォルダ名はオープニング会議です」
「ありがとう。昨日中村さんが寝た後に目を通した」
いつの間に・・・
「15pの図2は要らない」
「え?」
「あの図は、逆の印象を与える可能性がある」
あぁ、私が迷って、入れるか後で指示を仰ごうとした図だ。
「分かりました。削除して会議の出席者にパス付のメールで送ります」
「いや。もう経管の事務に指示してある。
朝一で取りかかってくれるはずだ」
早い。
「社内で待機する事務が出来ることは遠慮なく回して」
「はい」
「中村さんには秘書として効率よく動いてもらう」
「はい」
話し方がビジネスライクに戻った。
誰よ・・・
俺には秘書はまだ早いって追い返そうとしていたのは!
エントランスからエレベーターに乗ると
この時間で、すでにひと仕事を終えたような雰囲気の武田さんも乗って来た。
会社のエントランス付近まで来て、岡本主任は再び笑いながらそう言った。
絶対に本気で言ってるわけじゃない。
明らかに顔が楽しそう。
「そんな時間ないですって!今日は朝一で社内会議ですよ」
「そうだったな」
のらりくらりといい加減なことを言うけど
「うちの」プロジェクトを任されてる人だ。
社内評価の高さは異例だ。
そもそも・・・
経管は社内の精鋭たちが集う。
あの華やかな3人の同期たちに目が行きがちだけど
本来は何千人という全国の同期入社の中から毎年1人か2人が経管に配属される。
配属がない年も珍しくない。
そこで1年早く主任に昇進をした人だ。
いったいどんな頭の回転をしているのか見当もつかない。
「資料はそろっています。フォルダ名はオープニング会議です」
「ありがとう。昨日中村さんが寝た後に目を通した」
いつの間に・・・
「15pの図2は要らない」
「え?」
「あの図は、逆の印象を与える可能性がある」
あぁ、私が迷って、入れるか後で指示を仰ごうとした図だ。
「分かりました。削除して会議の出席者にパス付のメールで送ります」
「いや。もう経管の事務に指示してある。
朝一で取りかかってくれるはずだ」
早い。
「社内で待機する事務が出来ることは遠慮なく回して」
「はい」
「中村さんには秘書として効率よく動いてもらう」
「はい」
話し方がビジネスライクに戻った。
誰よ・・・
俺には秘書はまだ早いって追い返そうとしていたのは!
エントランスからエレベーターに乗ると
この時間で、すでにひと仕事を終えたような雰囲気の武田さんも乗って来た。